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Fate/stay night キャラクター考察5 アーチャー陣営(エミヤ)

きっと今回のUBW放送後に彼の人気はさらに上がることだろう…。
不動のFateシリーズ男性キャラクター一番人気。

(注意)
※ネタバレ全開ですので、Fate/stay nightを最後までご覧になっていない方はご注意ください。
・これを書いた当時はFate/hollow ataraxiaは未プレイだったため、あくまでもstay night本編で明かされている範囲の情報と知識のみで書いていることをご了承ください。
またFate/EXTRA及びFate/EXTRA CCCの「無銘」サーヴァントさんの情報もここでは書きません。
・完全に自己満足と自分のひまつぶしの為の文章なのでかなり適当ですが、それでもよろしければどうぞ…。

アーチャー(エミヤ)

アーチャー

・凛が召喚した弓兵クラスの長身のサーヴァント。
皮肉屋で気障、クールな超現実主義者であり、遊びのない性格。
暴走しがちな凛のブレーキ役でもあり、彼女を諌める事も多い反面、自覚のない素直な言動で凛を赤面させ続ける天性の女たらしでもある。
割と子供っぽい部分もあり、貶されると我慢できず、拗ねるか皮肉の応酬に出るかのどちらか。
しかし、自分に非があれば素直に頭を下げる潔さを持つ。
一見冷たく突き放す言動が多いものの、本当は困っている人を放っておけないお人好し。
凛に負けず劣らずのツンデレぶりを随所で発揮する。

正確な年齢(享年?)は不詳だが、守護者となる契約を世界としたのが20代後半~30代前半とのことなので、肉体年齢は30歳前後だと思われる。
(英霊の姿はその人物の全盛期のものになるとの設定があるらしい…。)

おそらくstay night中一番の名言メーカーであり、数々の名言やポエムのような詠唱を披露してくれることに定評がある。
身長187cm、体重78kg、イメージカラーは凛と同じく赤。
天敵設定は後述。

・本人は否定しているらしいが、特技や好きなことは家事全般。
召喚された初日に凛の雑な召喚のせいで壊滅的な状況となった遠坂邸の居間を、家具の修理も含めて一晩で完璧に修復してみせた。
修理はたぶんアーチャーのもっとも得意とするところですしね。
また、頼まれてもいないのに本調子でないマスターのために紅茶を御馳走するシーンもあり、文句を言ってやろうとしていた凛を唸らせる腕前を披露。
キッチンの片づけにも余念がなく、一連の仕草は洗練され気が利いている。

・真名はエミヤ。
つまりアーチャーの正体は、衛宮士郎の理想「正義の味方」を貫いた果てに英雄となった人物であり、士郎そのものとも言える存在である。
(このまま士郎が成長すればアーチャーになるという訳ではなく、こうなる可能性もあるよという感じ…?
エミヤはタイムパラドックスの世界(並行世界)の士郎のようなので、第五次聖杯戦争開始まで士郎と同じ人生を歩んでおり起源は同じだが、厳密に言えば二人は全く別の人生を歩むことになるので別人。
また、セイバーの願いやアヴァロンの存在を知っているものの、セイバーを助けられなかったなど矛盾点があるため、どのルート出身の士郎というわけでもない。)

生前は少年時代に第四次聖杯戦争による大火で全てを失い、他人であった切嗣に自分だけが命を救われた経緯から、周りに泣いている人や傷ついている人がいると我慢ができず、目に見える全ての人を助けようとしていた。
彼にとっての報酬は救った者からもらえるものではなく、誰かを助けられたという結果こそが見返りだった。
しかし、誰にも自分の胸の裡は明かさなかったために彼の人助けの目的を知る者はおらず、「冷徹で口数が少なかった」ので誤解されやすかったためか、理解者は少なかったようである。

ある時ひどい災害が起き、自分一人ではどうしようもできないほどの多くの人が死を迎えようとしている瞬間に居合わせる。
英雄としてその場のすべての人を助ける奇跡の力を得ることを引換えに「我が死後を預ける。その報酬を、ここに貰い受けたい」と"世界"と契約し、己の死後を世界に売り渡してしまうことに。
これが英雄としてのエミヤの誕生の瞬間だった。
英雄になってからもやることは変わらず、一人でも多くの人を救いたいと奔走した。

しかし、傑出した救い手だった彼は救われる者以外には厄介者でしかなく、見返りを一切求めない「正義の体現者」は、都合よく使われた挙句に「気味が悪い」と恐れられ、次第に敵も作っていった。
どうもアーチャーの生前に関する夢や派生作品の生前エピソードを見る限り、世界中の紛争地に赴き戦争を終結させることによって、争いに巻き込まれる無辜の人々を救うことが彼の主な活動だった模様。
が、エミヤさんが悪者退治を頑張りすぎたせいで、次は自分が粛清されるのでは…と疑心暗鬼になる人多数だったとかなんとか…。

ついには仲間であり、自分が救った"誰か"であった人に罪を被せられるという裏切りを受け、争いを起こした張本人との濡れ衣を着せられて、絞首台で処刑される。

・報われなかった人生で、裏切られて終わった命にも関わらず、最後まで人間を恨むことはなかった彼は、生前は力がなく全ての人間を救うことはできなかったが、英霊になればあらゆる悲劇を打破できるのでは、と希望を持つ。
しかし、死後も人類を助ける力を得られるなら…と英霊となった彼に待ち受けていたのは、人間の嫉妬、憎悪、我欲、妄念を始めとした醜さのために繰り返される争いの「後始末」をする"守護者"の役割であった。

守護者となる契約を結んだ者に求められることは、輪廻の輪から外されて人間としての意思を剥奪された上で「世界を滅ぼす要因」が発生した場合にのみ呼び出され、人類全体を救うために殲滅兵器としてその土地にいる人間を全員殺害するというものだったのである。
守護者が呼び出される時点でそこはすでに死の地であり、人間の危機は必ず"人間自身の手による破壊"から生まれる。
救いたかったはずの人間が死に絶えた破滅の地で、人類全体の存続のために切り捨てられた多くの人間を手にかけることとなり、泣いている誰かを見たくないと願った彼は永遠に人間の泣き顔しか見ることができなくなった。

かつて尊いと思い、彼の救いの対象であった人間たちの醜い業によって繰り返される悲劇の不始末処理を押し付けられ続けるうちに、彼がそれを虚しいと思い、人の世を侮蔑せずにはいられなくなるのにそう回数はいらなかった。
生前いろいろなものに裏切られてきた彼は、結局最後には唯一自分が信じた理想にさえ裏切られてしまったと信じるようになってしまうのである。

・永遠に続く守護者としての「後始末」を経るごとに彼のかつての理想や記憶は摩耗し、過去の自分がやっていたことは人類のために少数を切り捨てて殲滅する守護者と同じなのではないかと道を見失う。
その結果、自分が何よりも大切にしていた理想と、その理想に殉じたかつての自分を恨むようになった。

アーチャーは自分の抱いていた「正義の味方」が恐ろしく矛盾したものであったと自ら定義づける。
「誰にも悲しんでほしくないという願い。出来るだけ多くの人間を救うという理想。
その二つが両立し、矛盾した時―取るべき道は一つだけだ。
正義の味方が助けられるのは、味方をした人間だけ。
全てを救おうとして全てを無くしてしまうのなら、せめて一つを犠牲にして、より多くのモノを助け出す事こそが正しい。」
「誰も死なさないようにと願ったまま、大勢の為に一人には死んでもらった。誰も悲しまないようにと口にして、その陰で何人かの人間には絶望を抱かせた。そのうちそれにも慣れてきてね、理想を守る為に理想に反し続けた。」

さらに、自分の人生を無価値で無意味なものだったと全否定する。
「人助けの果てには何もない。結局、他人も自分も救えない、偽りのような人生だ。」
「自分が助けようとした人間しか救わず、敵対した者は速やかに始末した。犠牲になる"誰か"を容認する事で、かつての理想を守り続けるなら、そんな男は今のうちに死んだ方が世の為と思わないか?」
他人のためにと人助けをしてきたつもりだったが、理想通りにすべての人を助けることはできなかった。
そればかりか、「せめて目に見える範囲の人間だけでも、全員が幸福になる」という理想と自分自身を度外視した助けは、一度自分が理想を信じられなくなってしまえば、自分のために残るものは何もなくなってしまう。

切嗣の誰かを助けたいという願いが「綺麗だったから憧れた」と後に語る彼は、いつしか自分の原点を忘れ、本人の思惑とは裏腹に切嗣と同じ行動をとり、守護者となってからは昔納得できなかった切嗣の「正義の味方」と同じ結論を出してしまうことになったのだった…。
理想を抱いて溺死しろ。」はかつての自分への憎しみがこもったかなり悲しい名言ですね…。

・聖杯戦争参加の目的は、かつての自分である衛宮士郎を殺すこと。
英雄となるはずの人間を英雄になる前に殺してしまえば、その英雄は誕生しないのではないかと永遠に続く一瞬の繰り返しの中、果てしなくゼロに近い確率だけを希望にして耐えてきた。
自身を消去したところで、死んだところの輪の外にある"座"に在るエミヤ本体が消えることはなく、アーチャーがこの苦痛から解放されることはないが、それでもそれに賭けなければ自身を許容できなかった。
そしてこれは「くだらぬ理想の果てに道化となり果てる衛宮士郎」への本人曰く「ただの八つ当たり」。
さらに現界後は自分の歩く黒歴史が、目の前で次々と頭を抱えたくなるような言動を大公開している訳で…まあ、心中お察しします(笑)
(2015年3月25日追記)
ufo版アニメ第一期Blu-layBoxの冊子内の奈須さんへのインタビューによると、アーチャーの本心は八つ当たりをしたいわけでも、救われたいわけでもなく、「"正義の名の下に生まれる殺人者"が現れる可能性を自らの手で断つ事が、今まで奪ってきたものたちへの最低限の償いだと考えているだけ」ということらしい。

・終始、機会があれば士郎を殺る気満々だったアーチャーだが、セイバールートや桜ルートでは私情を通している場合ではない、と事の重大さを前に自分の執着よりも、自分のマスターや関係のない人に害が及ばないように行動することを優先。
やっと機会に恵まれ、このままでは士郎が自分と同じ道を辿ると判断した凛ルートでは、士郎に思いの丈をぶちまけて消滅寸前の満身創痍な中、士郎に一騎打ちを挑む。

しかし、結局は士郎の「勝てぬと知って、意味がないと知って、なお挑み続ける」その姿と彼の自分達の理想は「決して、間違いなんかじゃないんだから……!」の言葉が胸に突き刺さり、かつての自分が「何を美しいと感じ、何を尊いと信じていたか」を省みることとなった。
「その心が偽物でも、信じたモノの美しさは真実」だとだけ心にある士郎を見て、それだけは偽れず胸を張れるかつての自分の力だったことを思い出す。
否定する気満々だったのにもかかわらず、士郎の理想を信じて諦めない姿をやはり「美しい」と思ってしまったアーチャーは、士郎(=かつての自分)が間違いではなかったことを認めざるを得なくなり、敗北を許してしまうのだった。
魔力が普段の十分の一以下というボロボロな状態でもその気になればすぐに士郎は倒せたはず。それでもトドメを刺せなかったのは序盤は士郎に自分の理想は間違いだったと諦めさせて屈服させなければ意味がないと判断したから、後半は士郎の言い分に気持ちが揺れ動いてしまったからだと思われる。

士郎と出会い、かつての自分を見つめ直すことができたことで、やっと自分の意志で正義の味方が、やはりそれ以外は考えられない自分の全ての原動力である在り方だったと気づくことができたようである。
また、自分を通して大きく成長し、正義の味方の本質に気づいてもなお理想を曲げないと決意したこの世界の士郎は、かつての自分と同じ道を辿ることはないだろうと結論を下す結果となったようである。
直後のギルガメッシュの猛攻から士郎を庇い、最大の障害であるギルガメッシュを倒すことを彼に託して姿を消す。
こんな良い場面に水を差しに出てくるギルさんには空気を読んでもらいたいものです

・凛ルートではギルガメッシュに消滅させられたかと思いきや、アーチャークラスの単独行動スキルのおかげか、かろうじて最終決戦までこの世に留まり、最後に凛と士郎を救出して消滅。
(「敗者は消えるのみ」と自分で言っていたので、何かなければあえて凛たちの前には姿を現さないつもりでいた…?というか、アインツベルン城で姿を消したのはただ霊体化しただけとでも言うのかw
いや、ギルの聖杯への願いが人間を滅ぼすレベルのアレなものだったこともあり、霊長を救う抑止力が働き、守護者パワーでちょっとだけ生きながらえたのかもしれないですね。)
凛に頼りない自分(=士郎)のこれからを託し、「答えは得た。大丈夫だよ遠坂。オレも、これから頑張っていくから。」と見失っていた自分の想いを取り戻して少年のような笑顔で消えていった。
セイバールートがセイバーの心を、桜ルートが桜の心を士郎が救ったルートとするなら、凛ルートは士郎がアーチャーの心を救う話なのであった…。
(同時にアーチャーも、これからの士郎を救っているけど。)
それでも、アーチャーは永遠に守護者のままなんですよね…。
これからどうやって守護者として折り合いをつけていくのかは想像できませんが…。


・凛や士郎の夢にたびたび出てきた「アンリミテッドブレイドワークス(無限の剣製)」の固有結界の風景である剣の丘は、実際の風景ではなく彼の果てであり、死の際に見た幻
絶えず胸の裡にあった、唯一の誇りを表した心象風景。
士郎の魔術特性はセイバーの「アヴァロン(全て遠き理想郷)」を埋め込まれた時点で"剣"となったので、彼にとってやはり剣は特別なものだったのだろう。
その割にセイバークラスではないのは、セイバークラスに該当するステータスが足りないことと、生前英雄のシンボルとなる剣を持っていなかったため…だと思われる。

この光景を支えにして戦い続けた彼は「独りでも目に映る人々を救えたのなら、悔いる事など何もないと満足げに笑って、崩れ落ちるように剣から手を放し」死去。
そのため、亡くなるときは無念などなく、願いを叶えた人生だと思っていた。
凛ルートにて、「私には叶えられない願いなどなかった。」と虚ろな顔で士郎に告げたのはそのため。
エミヤの悲劇と絶望は、永遠に終わることのない死後の世界からなのであった。

エミヤ版の「無限の剣製」のみに出てくる巨大な歯車はエミヤの在り方を象徴しているのだろうか。
歯車はしばしば「労働者」の象徴とされており(by Wikipedia)、機械を回すためになくてはならない部品。
延々と廻り続ける歯車は、人類を生かし続けるシステムを維持するために、永遠に自分の意志に関係なく機械的に働かされる奴隷のような守護者の在り方を意味しているように思えてならない。
何これ、悲惨すぎる。

・「英雄になど、ならなければ良かったんだ」と自身が英雄になったことを激しく後悔しているので、英雄や英霊としての誇りや矜持は持っておらず、この点に関しては他者にも辛辣な態度を取る。
なんだかんだで大変誇り高い他の三大騎士クラスのセイバーやランサーは、そんな彼の英雄らしからぬ言動を快く思っておらず、凛ルートでたびたび衝突。

主である慎二を守って無抵抗でキャスター陣営に敗れたライダーを「腑抜け」、「英雄ならせめて命懸けで相討ちくらい狙え」と罵ったことで、セイバーには「貴様こそ英雄を名乗る者か」と非難される。
これに対して「どのような理由であれ、無様に敗れたことに変わりはない。この戦いに相応しくない"英雄"とやらは、早々に消えればいい」と返してしまい、セイバーと一時的に険悪な雰囲気に。
アーチャーがここまで冷たい態度を取った理由は、挑発しているように見せかけて彼にとっては「甘い」考えを持つセイバーを叱っていたから、と凛が推察した通りだったようだが、セイバーにはイマイチ意図が伝わらなかったような…。
不器用さがここにも出てしまったということなのか…。


ランサーにも「戦上手」だが、「貴様の剣には、決定的に誇りが欠けている」と指摘され、「そんな余分なプライドはな、そこいらの狗にでも食わせてしまえ」、「英雄の誇りなぞ持っているのなら、今の内に捨てておけ」、「死した身で今更、何の栄誉を守るというのだ」と煽りに煽り、ランサーを怒らせてしまうのであった…。
なお、アーチャー曰く、キャスターも彼にとっては理解できない「下らない」誇りを持っていたらしく、そんな彼女にも辟易している。

また、理想に裏切られてしまった絶望的な境遇の反動により、現実主義者になってしまった故に「本来信頼は駆け引きで築くものだ。理由のない信頼などそれこそ信用ならん」、「魔術師ならば志より結果をとるべきだ」、「汚れなど成果で洗い流せる」など現実主義者的な発言が多々飛び出している。
まあ、こんな非情なことを言いつつ、なんだかんだで結局はお人好しに戻ってしまうのだが…。

・少年時代に切嗣の言う「正義の味方」の在り方に反発したアーチャー(=士郎)だが、結局「一人を救う為に何十という人間の願いを踏みにじってきた」と第四次聖杯戦争で切嗣が聖杯によって気づかされるまでと同じ行動をとってしまうことになる。
泣いている誰かを見たくないと奔走してきた切嗣とエミヤの二人だが、やっていることは同じでも彼らの意識は大きく異なっている。
アーチャーと切嗣の違いはその「異常なまでの精神力?(と言っていいのかわかりません。自分の価値をとことん下に置ける異常さと言った方が良いのかも)の強さの有無」と「正義の味方の在り方を気づかせた存在の有無」だと思っています。

切嗣はアーチャーと同じく、身内や仲間までをも切り捨てて常に多数を救う選択をしてきたが、育ての親、妻、助手(兼愛人?)を失うたびに彼の心は大きく揺れ動く。
それが顕著にわかるのは、第四次聖杯戦争でアイリと舞弥を失ったとき。
また、アインツベルン城で珍しく出た切嗣の弱音シーン。
彼は大事な人を切り捨てて、何ごともなかったかのように振舞えるほど強い人間ではない。
というよりも、本来はそれが人間として正常なのではないかと思います。
そんなボロボロになりかけていた切嗣は、聖杯によって自分が殉じてきた「正義の味方」を「エゴイスト」だと判断し、以後「助けられるのは自分が選んだ人間だけ」ということを理解して、自分の周りの人間だけを守る「正義の味方」になった。
その結果が、士郎との幸せな生活だったのではないでしょうか。
自分で自分の理想を見つめなおすことができたが故に、結果的に自分を救うこともできたんだと思う。

一方、アーチャーは「それが苦痛だと思う事も、破綻していると気づく間もなく、ただ走り続けた」とあり、恋人や仲間を失って裏切られても最期まで疑問を抱くことなく、できるだけ多くの人を救おうと奔走した。
「一人でも目に映る人々を救えたのなら、悔いる事など何もないと満足げに笑って」死んだアーチャー。
彼の「異常」とも言える強さと使命感、「この身は誰かの為にならなければならない」というサバイバーズギルト的な強迫観念が彼をここまで駆り立てましたが、後に自分でも「もとより、何を救うべきかも定まらなかった」と後悔しています。
アーチャーの精神力が強すぎた故に、報われなくても裏切られても途中で挫けて諦めることも、行動方針を変えようとするきっかけや、自分の理想を見つめ直して咀嚼する暇すらもなく、道を見失って自分すらも救えなかったのなら…こんなに悲しいことはないなと思います。
彼がかつての自分の理想が借り物であり「偽りのような人生」、「意志を持てなかった」と語るのはこういうことなのではないだろうか。
正直に言うと、無実の罪で処刑されたことすら「そんな事はどうでもよかった。初めから感謝をして欲しかった訳じゃない。英雄などともてはやされる気もなかった。オレはただ、誰もが幸福だという結果だけが欲しかっただけだ。」と言い切るエミヤさんには、少しぞっとしてしまいました。ギルに「理念は俗物ではない」とまで言わしめたアーチャー、まじぱねえっす…。

・英霊には伝説上のもの、実在したもの、観測されなかったものがおり、信仰が薄いものや"世界"と契約を交わした者は"霊長の守護者"という大きな分類に含まれて意思のない"抑止力"として行使される。
本編に登場する英霊の中で"守護者"として機能している者はアーチャーのみ。
他の英霊たちは神性が高かったり、人間側ではなく星よりの存在になっていたりするため、守護者に取り込まれずに済んでいるらしい。
アーチャーと他のサーヴァントたちとの違いは、世界と契約して"英霊"となったかどうか。

アーチャーのみ、世界と契約して奇跡がなければ救うことができない百人の人々を助ける力を得たことで英霊となったので、守護者となってしまった。
(セイバーも聖杯を手にしてしまった時点で世界との契約が成立してしまうので、聖杯を手に入れてしまうと守護者になってしまう運命。)
生前に「英雄」の力を得る代償に、死後は永遠に守護者として使役されるとか…どんだけ悪質な金貸しなの…"世界"とやらは…。

また、完全なる反英雄ではないが、自分が切り捨てる存在と選択した人間を容赦なく殺してきた「悪行」(強いて言えば私刑)が、結果的にその他の人々を救ってきた行いなどから、反英雄に近い位置付けとされている。
それ故、桜ルートでは自分を「まっとうな英雄ではない」、「歪な英霊」、「あの泥(「この世全ての悪」に汚染された泥)と同位」と評している。

・桜ルートでは、桜のために動こうとする士郎に「今まで人々を生かす為に在り続けてきたその誓いを曲げ、一人を生かす為に人々を切り捨てる」なら衛宮士郎に未来はなく「その罪(ツケ)は必ず、おまえ自身を裁くだろう」と忠告する。
しかし、士郎を非難しているというよりは、「何かと決別するように、一度だけ目蓋を閉じ」などの描写や、士郎を生かす為に腕を提供するなどの行為から、密かに彼を応援しようとしていたのかもしれない。
士郎のやろうとしていることはアーチャーが生涯できなかった、たった一人の人を助けるという行動だったからなのだろうか。

また、イリヤを連れてアインツベルン城から逃げる士郎に「イリヤの手を取ったからには、最後まで守り通せ。」と彼らを庇って殿を買って出たアーチャーが「ひどく済まなそうな目で、イリヤを見つめていた。」は桜を守るためにイリヤの命が失われてしまうとわかっていたから?
それとも彼が士郎として参加した聖杯戦争時、もしくは生前にイリヤを守れなかった過去があるとか…?
彼は他サーヴァントやイリヤなどについても、本来彼が知り得ない情報も知っているような描写があるので、自分がマスターとして参加した聖杯戦争で彼らと出会っていたことはほぼ確定。

・彼がなぜ現界直後や他ルートで士郎を殺さなかったのかは疑問だが、おそらく「剣を執る時は必勝の好機であり、必殺を誓った時のみ」とのことなので、ぎりぎりまで確実な勝機を見計らっていたからだと思われる。
また、最終的には「聖杯を私利私欲で使わぬマスターは、私が知る限りおまえ(士郎)と凛だけだからな。故に、私たちが勝利しなければ被害はさらに大きくなる。」の台詞から、私利私欲で聖杯を使うマスターが聖杯を得ることを阻止する目的も持っていそうなので、士郎を殺す=凛に聖杯を掴ませる必要が出てくる。
意外と自分で作った縛りが複雑だったため、凛ルートでキャスターを利用して、自分が「はぐれサーヴァント」になって凛とセイバーを契約させる策を練るまで、士郎を倒さなかったのかもしれない。
でもそうなると、凛ルートでのキャスター戦後に士郎を襲ったのは…もう一対一で回りに誰もいない絶好の機会だからやってしまえ!って感じだったのか…?
(追記)
凛ルートのキャスター戦後に「無関係な人間を巻き込みたくない、と言ったな。ならば認めろ。一人も殺さない、などという方法では、結局誰も救えない。」と士郎を説得するような言葉を投げかけているので、ひょっとしたら最初から「士郎が自分と同じ道を辿るような人物であれば」、殺そうと考えていたのかも。
セイバールートでの「覚悟ぐらいはしておけ。己の矮小さを実感した時、まず何を正し、誰を罰するかと。それが出来ぬようなら、その夢もその魔術も、今すぐ捨てるのだな。」「いいか。誰が何をしようと、救われぬ者というのは確固として存在する。おまえの理想で救えるものは、おまえの理想だけだ。人間に出来る事などあまりにも少ない。それでも。一度も振り返らず、その理想を追っていけるか。」
あたりも、この世界の士郎の決意を最終確認しているような台詞。
エミヤさんがその道を生前譲らなかったように、士郎がそう簡単に考えを改めるはずがないので、どうあっても士郎はアーチャーの抹殺対象になってはしまうのですが…。

・士郎とアーチャーとの関係の伏線としては、家事全般が得意なこと、弓が得意なこと、女子を赤面させる素直な褒め言葉を自覚もなく連発すること、魔術に関して同じような壁にぶつかったこと、物の設計や構造を把握する能力に特化していること、強化・投影魔術の呪文(トレース・オン)が同じなこと、眉毛の形などなど探せば割といっぱいある。
そして、アーチャーの「好きなこと」と士郎の「特技」の公式設定にガラクタいじりがある。

なお、アーチャーの肌が浅黒く、髪が白いのは投影による影響。
(ひょっとして、目の色も…?)
セイバールートにて士郎がセイバーの剣を投影した際に、「痣みたいに肌が黒くなった」とあるところが伏線。
顔つき全然違うけどね…。約十年の歳月と壮絶な人生であそこまで顔変わるのかとつっこんではいけないのでしょうか。
ちなみに、アーチャーの一人称は「私」だが、熱くなったり正体がばれた後などは士郎と同じく「オレ」に変わることも。
士郎は「俺」ですが。

・どのルートにおいても、忌み嫌っているはずの士郎にもアドバイスを欠かさなかった。
凛が気に病んでいるようなので、と見るに見かねて士郎に魔術のアドバイスをしてくれるお人好しさはどのルートでも健在。
天才であるセイバーや凛にはわからない凡人の悩みは痛いほど理解しているので、士郎へのアドバイスは的確で、士郎にも彼の言葉はすっと理解できるものだった。
「イメージしろ。現実では敵わない相手なら、せめて想像の中で勝て。自身が勝てないのなら、勝てるモノを幻想しろ。」
どうしようもなく素直に、士郎の胸に落ちたこの言葉は自分が投影した武器の精度を信じることが鉄則の投影魔術の基本だった。

・生前の記憶に凛が残っていたことから考えて彼女には特別な感情を持っていたと思われる。
そもそも原作ゲームにおいて彼の笑顔や照れ顔の立ち絵は凛相手のみに数回使われるだけというレアさ
また、桜ルートでは凛を庇った際に「愛しげに彼女の髪を梳きながら」別れを惜しむシーンが存在する。
ただし、生前の彼は凛とロンドン留学したまではいいものの、その後決別したか死別したかで離別してしまった模様。

凛に対しては彼女を思い出す前の召喚当初こそ子供と思って侮っていたが、彼女の魔術の力を認めて以来彼女の信頼に応えようと努力する。
凛がプロローグで士郎救出の際にペンダントを置いてきた後、生前ずっと持っていた自分のペンダントを彼女に渡して「……もう忘れるな。それは凛にしか似合わない。」と照れながら言うシーンは彼の凛に対する気持ちの表れかもしれない。
それとも、英霊エミヤの召喚の触媒にもなるほど自分が生前ものすごく大事にしていたものだから、凛にもちゃんと持っていて欲しいと思ったから…かな。

凛ルート中盤では凛を裏切り、自らキャスターの下につくという選択をとる。
一見、ただの裏切りにしか見えないこの行動の目的は、何も戦いに有利な方につきたかったからというわけではなく、凛との契約を切って「協力関係にある限り、士郎を襲うな」と凛がかけた令呪の縛りを無効化すること。
もちろん、凛が死んでも良いと思っていたわけではなく、凛なら必ず自分がいなくてもキャスターを打倒する秘策を持って来ると信じ、彼女と士郎をあえて逃がしたようである。
やっとキャスターの宝具を利用して士郎を殺せそうなチャンスが到来したということで、アーチャーさん必死である。
また、忘れてはいけないがあの戦力差で凛が生き延びるにはあの選択しかなかったことは事実。
実に合理的ですな、アーチャーさん。

凛は「召喚者として完璧だったが、ただ少しばかり狂いが生じただけ」とのことで、キャスターの「サーヴァントは総じてマスターに不満を持つもの」との認識は間違っていると忠告するシーンがある。

しかし、アインツベルン城で慎二に凛を渡してしまったのは…後ろに控えているギルガメッシュと争えばどうあってもこの状況では勝てないと判断し、後で来るであろう凛のサーヴァントのセイバーあたりに彼女の救出を期待したからだろうか(今までのアーチャーの行動からすればこれが妥当?)。
それでも、凛ルートラストでアーチャーにとっての凛は「いつだって前向きで、現実主義者で、とことん甘くなくては張り合いがない。その姿にいつだって励まされてきた。」と心の支えのような存在であったことが語られた。

・セイバーに対しては、かつて自分が召喚したことを覚えており、それ故に彼女にも特別な親愛の情を持っている。
たとえ地獄に落ちても絶対に忘れないほど鮮明に覚えていたのがセイバーを召喚したときの光景というほど、アーチャーにとってセイバーは大事な存在だった模様。

セイバーとの初戦であっさりと彼女に不覚を取ったのは彼女の顔を見て、突然の再会で驚いてしまったから。
セイバーの願いや境遇を理解しており、彼女が自分のように死後に後悔しないようにと案じている。
それ故、彼女が自分のために聖杯を使おうとしない典型的な守護者"奴隷"と認識し、過去の自分と同じように他人のために世界と契約しかけている彼女を解き放ちたいという気持ちを抱いている。
また、かつて自分が召喚した際に、セイバーを救うことができなかったことを今でも後悔している。

凛ルートでは士郎を殺してセイバーを消滅させる気はなく、もとよりセイバーには凛と再契約させるつもりだったようである。
その割には、凛ルートのバーサーカー戦で下手したらセイバーもろとも木っ端微塵にしようとしてるように見えますが…。

凛ルートではセイバーに対しては時折、「この身を埋めているのは後悔だけだよ。オレはね、セイバー。英雄になど、ならなければ良かったんだ。」、「違うよセイバー」、「馬鹿な事を言うなよセイバー」など口調が軟化する。
ちなみに、「アーチャーの傷の治りは早いのに、セイバーから受けた傷は治らない」と凛がぼやいていた理由は、彼の体にも埋め込まれていたであろうセイバーの宝具の「アヴァロン(全て遠き理想郷)」の影響なのだろうか。
さすがに宝具の持ち主本人から受けた傷はアヴァロンでは効力を発揮しないのかも。

凛ルートのTrueエンドでは自分と同じく生前の行いを後悔していたアーチャーが答えを導き出したことに触発され、前向きになったセイバーが自ら聖杯を破壊することを決意。
Goodエンドはセイバーが凛の魔力で現界を続けるが、セイバーがそれを望んだ理由は「彼(アーチャー)は私が間違えていると言った。……その答えを、いつか貴方(士郎)が私に教えてください。」というものだった。
ずっとセイバーを救えなかったことを後悔していたアーチャーだけど、やっとセイバーを解き放つことができたということですかね。
良かったね、アーチャー。

・どんなに憎まれ口を叩こうと、どのルートでも人助けにより自分が窮地に陥る
初回はセイバーの剣に反応できずに動けなかった凛を庇って傷を負うことに。
セイバールートでは、凛たちを逃がすために絶望的な状況でバーサーカーを一人で引き受け、足止めをして消滅。
凛ルートでは、柳洞寺のキャスター戦でわざわざ引き返して士郎を救出(これは自分が士郎を殺さないと意味がないからか…。)、士郎との一騎打ちで満身創痍にも関わらず、ギルの「ゲート・オブ・バビロン(王の財宝)」から士郎を救出、凛の聖杯の泥からの脱出を手助けし、ギルに巻き込まれて聖杯の孔に落ちそうになった士郎を救出etc。
桜ルートでは、黒い影とアサシンから士郎や凛、イリヤを守る為に自ら殿を務め、さらに黒い影の攻撃から凛を庇い、やっぱり消滅。
三ルートとも散り際が大変かっこいいサーヴァントとして定評がある

・弓兵クラス故か目が良く、鷹の目を持つ。
どれくらい良いかというと、新都のビルの屋上から未遠川にかかる橋のタイルの数がわかるくらい。
もはや化け物レベルである。

しかし、一応アーチャーであるが、弓を使って戦う事は稀
投影した宝具を弓につがえて矢として放ち、空間を捻じ曲げてでも相手にぶつけて爆発させる技「ブロークンファンタズム(壊れた幻想)」を得意としており、凛ルートでバーサーカーやキャスターにケルト神話由来の武器カラドボルグを改造して投影した「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」を放ち、ランクA相当の威力を発揮した。
イリヤにもキャスターにも認められるほどの腕だが、矢を射るにはタイムラグがあるからか、止む無く接近戦になってしまうことが多いからか、なかなか使う機会には恵まれない。

結果、アーチャーなのに干将莫邪での接近攻撃メインという事態になっているが、彼自身が弓より白兵戦の方が性に合うと考えているということなので、仕方がない…。
アーチャーって絶対狙撃専門の方が強いですよね。ですよね…。
それでも、ギルガメッシュよりはよっぽどアーチャーしてます

ちなみに、ゲームのイラストやアニメを見る限り、アーチャーの矢の番え方は弓道部のような和弓ではなく洋弓スタイルだが、ゲームのイラストは弓の引き方が和弓スタイルのように見える…。
(矢を弓の左側に番えるのが洋弓の番え方で、自分の耳の後ろあたりまで弓を引くのが和弓の引き方。)
弓の大きさは和弓に近いので、「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」の矢と同じく、自分流にアレンジしているのかもしれない…
(追記)
…と思ったらアニメ版では所々引き方も洋弓っぽいですね。
もう、どっちでもいいですね!意外と適当なのかもしれませんねw

・ケルト神話由来の武器カラドボルグはエクスカリバーの原型であり、もともとはクー・フーリン(ランサー)の剣の師匠にして、盟友の愛剣。
ちなみにその使い手がアルスター(アイルランドの一地方)に縁のある者の場合、もしランサーに当たると大変なことになる。
クー・フーリンはゲッシュにより、その場合「一度敗北する宿命」にあるらしい。
こんな物を持ち出してくるあたり、アーチャーとランサーはとことん馬が合わないんだな…。

・基本的に人との信頼関係をとても大事にしている節がある。
アーチャーにとって「契約において最も重要な交換はお互いの名前を知ること」であり、「信頼に応えるのは騎士の勤め」と凛の信頼に一心に応えようとする場面が多く見られる。
キャスターが仲間であるはずのアサシンを「あの狗」、「私の手駒にすぎないあの男」と呼ぶのを聞き、初めてむき出しの敵意を表すという描写もある。
彼にとっては我慢がならないことだったのかもしれない。

アーチャーが生前騎士でもないのに、やたらと「騎士」っぽく振る舞うのはセイバーの影響かもしれませんね。
アーチャー(士郎)にとってのサーヴァントはやはりセイバーなので。

・自分から積極的に他のキャラクターと関わりを持とうとしないので、対人面での彼の性格は割と掴み辛いが、凛やセイバーの言葉を借りれば「清廉で不器用」。
凛曰く、隠し事はするが嘘はつかないので、柳洞寺で士郎を殺そうとしたこともあっさり白状してしまい、結果的にアーチャーにとっては痛恨の令呪の命令を受けることになった。

「自分に対しては不器用、周りに対しては器用」との凛からの指摘は本人も自覚があるらしく、考え込んでしまったことも。
この辺の彼の性格は、死んで理想を捨ててからも治らなかったらしい。
凛にとって、アーチャーの皮肉は「遠まわしにそこを直せと忠告してくれる」ものであり、彼なりの優しさとして受け取っている。
皮肉を言いつつも、寒空の下で眠る凛を自分の外套で冷気から守ってあげる場面もあり、まさに「不器用な忠義者」なのであった。

一方、セイバーはアーチャーとアサシンの戦いを見て、「彼の剣技は清流でした。心に邪な物がないのでしょう。舞うような剣戟は、彼の人格を物語っていると思う。」とコメント。
アーチャーが士郎を殺そうとした事実があるにも関わらず、騎士らしく剣を見て彼の人格を判断したようである。

しかし、相手が誰であろうと皮肉を言わずにはいられない性なので、敵対する者を容赦なくこれでもかと煽り、挑発しまくる一面もある。
相手の為を思って忠告もアドバイスも欠かさないお人好しではあるが、出てくる言葉が憎まれ口だらけなので、大変分かりづらい難儀な性格の人なのであった。

・用心深く、非常に勘が良い。
桜ルートでは、間桐の屋敷を一回りしただけで設計図を思い描き、本来なければおかしい部屋(空間)がない事を指摘。
見事、地下の蟲蔵に続く階段を探し当てた。
学校に他のマスターがいる可能性を凛に指摘したり、キャスターとアサシンの関係を見抜いたのも彼。
「物事には常に裏目が存在する。本来あり得ざる事が起きるのもまた運命だ。」はそんなアーチャーの性格を表した一言。
思い込みの激しい凛は特に肝に銘じるべき台詞である。

また、割と博識で他の英雄の知識も豊富。
「竜の歯を依り代とした人型はコルキス王の魔術と聞く。その娘、王女メディアは稀代の魔女として謳われたそうだが?」とキャスターの正体を見抜いたり、ランサーの正体も宝具の真名発動をする前から気づいており、彼が最も嫌がる悪口(悪い意味で「犬(狗)」と言われるとランサーは怒ります。)で挑発したりするシーンがある。
また、結界や固有結界、キャスターが冬木の一般市民から魔力を奪った際に使った香についての知識などにも詳しい。
士郎からして資料なしで凛にギルガメッシュの解説をするほどの知識があるが。

・桜ルートにてアーチャーが「この世全ての悪」の化身とも言える「黒い影」について知っていたのは、彼が守護者として同じような存在と延々と対峙してきたためと思われる。
守護者は、人間の醜さ(=「この世全ての悪」)が生み出した惨事の地で呼び出され、これの後始末をする存在なので、彼にとっては黒い影の本質を見抜くことは容易だったのではないだろうか。
それでも彼は、守護者のときはすでに「この世全ての悪」が引き起こしてしまった後始末をするしかなかったが、今回はまだ事が起きた後ではないので、摘み取れる可能性があると希望を持っていた。
自分の悲願であった士郎始末も「私怨」と捨て置いて、あくまで一般人を脅かす黒い影討伐を最優先とするアーチャーは、やはりアーチャーですね。

・原作では彼だけに後ろ姿の立ち絵が複数存在する
印象的なのは、出番が少なかったセイバールートにおいて、一人でバーサーカーを食い止めることになってしまったシーン。
割と出番の少ない中でアーチャーをあれほどかっこよく見せたのは、あの背中で語る漢な演出も大きいだろう。
時間を稼ぐのはいいが―別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」と絶望的な状況の中でアーチャーを捨て駒にすることに後ろめたさを感じていた凛を鼓舞しようとする台詞は名言でもあり、公式でふざけたパロディーに使われるほど使い勝手のいい台詞。

・今回の聖杯戦争は周りが神話レベルの有名人ばかりのため、元一般人のアーチャーは、凛の力を以ってしてもステータスやスキルのランクは低め。
アーチャークラスが宝具が強力な代わりにステータスが低いというのもあるが…。
時系列的には未来の英雄のため、現地での知名度によるステータスアップの恩恵も全く受けられないが、汗と涙と努力の結晶でこれを補っており、剣技に至ってはセイバー、ランサー、バーサーカーにも認められている。
一応生前は「ただの一度も敗走はなく…」ということで、無敗だったらしい。

セイバールートでは、弓兵にとって不利な接近戦にも関わらず、今まで誰も成しえなかったバーサーカー殺しを六回達成。
イリヤにとっては、どこの者ともしれない有象無象にやられ、自尊心を傷つけられショックを受けるほどだった。
「アーチャー 強さ」の検索キーワードで訪問される方が多いのですが、アーチャーの強さを語れるほど洞察力がありません…。
でも、いさぎよく干将莫邪の接近戦は止めてFate/Zeroの切嗣のように弓+投影宝具の不意打ち狙撃メインの戦法を取った方が確実に強そうです。Fate/hollow ataraxiaでマスターのフォローなしで"途中まで"セイバー相手に圧倒していましたし。マスターが凛である限り、できなそうな作戦ですが。


・主要キャラクターではあるが、本作では私服設定はなし。
そもそも日常シーンらしいシーンがプロローグの紅茶のみのアーチャーなのであった…。
身に纏っている赤い外套は「赤原礼装」と呼ばれる一級品の概念武装で、その効果は外敵に対する守りではなく、外界に対する守りで発揮される。
ある聖人の聖骸布で作られているらしい。
おそらく膨大な魔力を要する固有結界発動の反動、副作用を軽減させる効果があるのではないだろうか。
(目に見える範囲だけでも投影の影響が髪や肌の色に出ているので、無限の剣製なんかはかなり負担がかかっているんじゃないでしょうか…。)

・ゲーム開始時、不完全な召喚のせいで記憶が曖昧だと言ったのは半分本当で半分嘘らしい。
召喚された夜、凛が眠った後に現状を把握し、今の状況を推測・推理して自分がようやく目的(=自分殺し)達成を可能とする機会を得たと確信した。
自分を召喚した少女が遠坂凛なのだと確信(記憶が曖昧なのではなく、そもそも遠坂凛という名称が摩耗していた)したのは、凛が自己紹介をした瞬間。
「では凛と。ああ、この響きは実に君に似合っている。」のつぶやきは本心からの、狂おしいまでの親愛がこもった一言だった(by作者)とのことなので、生前も凛とある程度は親しかったようである。

アーチャーの天敵は凛、桜、そしてイリヤ
これだけでも彼の正体が知れようというものだが、天敵とか一体何があった…。
天敵というより、弱点って感じなのかな…。
凛に対しては先述の通り。
イリヤとは直接的な絡みがないものの、桜ルートでは彼女を愛称で呼び、士郎にイリヤを守りきるよう激励。
セイバールートや凛ルートでの対バーサーカー戦では、マスターのイリヤを狙えば楽に勝利できたであろうが、彼女を狙うことは一切なかった。

また、自分の実の姉のような関係でもあった大河に対しては、凛ルートでキャスターに襲われた彼女を真っ先に心配しているようなシーンがある。
唯一、桜とはわかりやすい作中での接点がない…。

女性関係と言えば、凛ルートの柳洞寺で、キャスターがアサシンに対して悪態をつくのを前にして
「そら、見ての通り八つ当たりを食らう事になる。女の激情というのは中々に御しがたい。」
とコメントしている。
キャスターの一般人への魔力吸い取り被害の現場を見て、サーヴァントとなっても男性への怨恨を隠さない女の恨みの根の深さに辟易しているような場面もある。
凛が生前アーチャーが女たらしだったに違いないと確信するシーンがあるが、どんな女性関係があったのでしょうか…。
ちなみに生前いたという、彼の恋人がどんな人物なのかは不明。

・「アンリミテッドブレイドワークス(無限の剣製)」は宝具扱いだが、正確には固有結界と呼ばれる大禁忌とされる魔術。
生前、魔剣や宝剣の類は持っていなかったので厳密に言えば宝具はなく、この魔術が彼の唯一のシンボル。
この固有結界には全ての剣を形成する要素があり、オリジナルを見た事があれば容易く複製することが可能。
ただし、複製した武器はランクが一つ下がる。

防具も複製可能だが、その場合は通常投影の二~三倍の魔力を必要とする。
アーチャーが唯一得意とする防御用の兵装は「ロー・アイアス(熾天覆う七つの円環)」で、ギリシア神話のトロイア戦争において使用された英雄アイアスの盾。
絶望的に運が悪い幸運Eのアーチャーを、ランサーの「ゲイボルク(突き穿つ死翔の槍)」から生還させた偉大な防具である。
凛ルートラストでギルから士郎を守ってくれたこれは、遠くから観戦していたアーチャーが投影してくれたものだったらしい。

また、一度複製した武具は結界内に登録され、固有結界を起動せずとも投影魔術として作り出せる。
普段アーチャーが投影している武器はすべてこの固有結界から持ってきているもの。
ギルの無限とも言える数の武器をほとんど複製できることから、彼が英霊となってから見た武器も記録されているのかもしれない。
固有結界内なら宝物庫から武器を手で取り出す必要のあるギルガメッシュよりも、直接手に武器を投影できる分タイムラグがなく、ギルにとってはまさに天敵なのがアーチャー。
ただし、もちろんギルが乖離剣あたりを出してきたりすれば、この限りではない…。
アーチャーの"投影魔術"に関しては、「衛宮士郎1」を参照してください…。

・もとは男性向け18禁ゲーム(いわゆるエロゲー)であったはずのstay nightにおいて、人気投票で数多くの女性キャラクターを差し置いて、堂々三位という驚異の人気を誇る。
(stay night人気投票では二回ともセイバー、凛に続いての三位。TYPE-MOON10周年人気投票では他作品込みの約二百人の中から凛すらも抜いてやっぱり三位。)
もちろん男性キャラクターではぶっちぎりの一番人気。
彼の熱い生き様と言葉巧みな名言の数々が、多くのプレイヤーの胸をも射抜いたらしい。
アーチャーだけに。

いつになく比較的真面目になってしまっている理由は、アーチャーの境遇が重すぎて、あまりおちょくれなかったからです。
台詞をメモしているときに、悲惨すぎて途中で辛くなってきたのがアーチャーの思い出…。

アーチャー好きなんですけど、なんでかなって考えてみると、かつてのアーチャーが切嗣の生き方に憧れたように彼の生き方が「綺麗だったから憧れた」っていうのが大きいかもしれないです。
いや、この人実際は本当に不器用で頑固なんですけど、なかなかできないです。
あんな筋の通った生き方。
あとは個人的にアンチヒーロー好きで判官贔屓なので…。
あ、あとあの諏訪部さんの渋い声ですね。声って大事ですね。


よく見たら、アーチャーだけで二万字近い分量に。
ちょっとこれは…どう考えても書きすぎです…。
こんな長ったらしく、散漫なものを最後まで読んでくださった方がいるのなら、感謝感激です。
読んでくださって、ありがとうございました!

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