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Fate/stay night キャラクター考察9 ライダー陣営(間桐桜)

【ライダー陣営】

ヤンデレ兄妹なマスターと、ドロドロ間桐家事情に振り回される控えめ忠臣サーヴァント陣営。
身近なほのぼの衛宮家の力を以ってしても、なごやかな主従関係とはほど遠い彼らなのであった…。

(注意)
※ネタバレ全開ですので、Fate/stay nightを最後までご覧になっていない方はご注意ください。
・これを書いた当時はFate/hollow ataraxiaは未プレイだったため、あくまでもstay night本編で明かされている範囲の情報と知識のみで書いていることをご了承ください。
・完全に自己満足と自分のひまつぶしの為の文章なのでかなり適当ですが、それでもよろしければどうぞ…。

間桐桜

間桐桜1

間桐桜2

・一年半ほど前から朝と夕に衛宮邸に通う、言わば士郎の通い妻。
穂群原学園1年B組。
士郎の影響か、兄が所属していたからかは定かではないが弓道部に属しており、次期主将候補の腕前を持つ。
大人しく清楚な雰囲気が滲み出すいわゆる癒し系少女だが、彼女の闇を知る者はいない。
真実、第三ルート(桜ルート)までは士郎の穏やかな日常・平和を象徴するキャラクターであるが、いざ桜ルートに突入すると、今まで想像できなかった彼女の心情をこれでもかと見せつけられることとなる。
顔を髪で隠す癖があり、衛宮邸以外では一切笑顔を見せず人を避けているので、クラスや弓道部では友人がいないらしい。
士郎に絶賛片思い中。
身長156cm、体重46kg、血液型O型、誕生日3/2、イメージカラーは桜色。
(血液型と誕生日はZeroの設定資料集参照。)
天敵はイリヤと遠坂凛。

・魔術師の跡継ぎがいない間桐家に十一年前に養子に出された遠坂家の次女で、遠坂凛の実の妹。
慎二の代でついに魔術回路が消え去るほど零落した間桐家に子を養子に出す魔術師はおらず、同盟関係を結んでおり二子をもうけていた遠坂家に養子縁組の申し出の白羽の矢が立つことになった。

魔術師として非凡な才能を持って生まれた凛と桜だが、遠坂家の魔術回路を父から引き継げるのは一人のみ。
残された方は本来、魔術を教えられずに一般人として生きることが普通であるが、彼女たちは二人とも稀有な属性を持って生まれてしまったために、遠坂家を継がなかった方は魔術協会に実験台、標本として利用される可能性もあったようである。
彼女たちの父時臣はそんな背景と桜の人としてではなく、「魔術師」としての幸せを願って、間桐家に養子に出してしまう。
まさかあんな外道魔術一家だとは知らなかったんですー。

・間桐家にもらわれた桜に待っていたのは間桐の魔術師としての教育という名の拷問のような日々だった。
臓硯は桜を間桐の当主に育て上げるという目的はなく、当初は次回以降の聖杯戦争に勝ち抜くために彼女の優秀な遺伝子を後世に残す「胎盤」としての役割を期待していた。
間桐の魔術師は「人から奪う」ことを目的とした魔術を使う代償として、自身も苦痛を与えられれば与えられるほど良い間桐の魔術師になるとのことで、臓硯や慎二パパからの調教は次第にエスカレートし、食事にも毒を盛られ、蟲倉に放り込まれれば、ただ息を吸う事さえ臓硯の許しが必要だったということである。

また、刻印虫を体内に入れられた影響により、目も髪も遠坂の色ではなくなった。
人間扱いされず、細胞の隅々まで間桐の魔術師になるよう変えられた彼女は、ただ魔術を使うだけの道具に仕立て上げられるという過酷な半生を生きなければならなかった。
時臣さん、知らなかったとは言え、どうしてくれるの…これ。

ここまで熾烈を極めた桜改造計画であったが、間桐の魔術の特徴は「戒め」と「強制」であり、遠坂家の魔術の特徴である「魔力の流動と変換」とは大きく異なるものである。
さらに桜は世にも珍しい架空元素の属性を持つ魔術師でありながら、間桐の水属性に無理やり体を変えられてしまったので、遠坂でなら大成しただろうが適応するだけで精一杯の体。
結果、聖杯からの魔力がなければ魔力は士郎と変わらない…とのことらしい。
しかし、臓硯は後述する歪んだ聖杯の器としての彼女の成長を期待していたので、こんなことは些末なこと…。

・十年前の第四次聖杯戦争最後の日に、破壊された聖杯のかけらを冬木市街の焼け跡で見つけた臓硯はこの聖杯のかけらを使って間桐流の聖杯の器を作ることを思いつき、桜の体内に聖杯のかけらを埋め込んで彼女の肉体を聖杯の器に改造した。
次に繋げる実験のつもりで、ゆっくりと何十年と歳月をかけて聖杯に近い存在へ変わっていき天寿を全うすることを予定したマキリ流聖杯の第一歩…のはずだったが、臓硯が思っていた以上に桜が聖杯と適合し、わずか十年の間で聖杯の器として完成してしまった。
そのため、桜を今回で使い捨てるつもりで臓硯は彼女に聖杯戦争参加を促した。

・臓硯がノリノリな一方で、桜はあくまでマスターとしての参加を拒否。
令呪が宿ってしまいライダーを召喚したが、士郎がセイバーを召喚したことを知ってしまった以上、士郎と戦うなんてことは考えられない桜の代わりにライダーのマスターとして参戦することになったのは、魔術回路すら持たない兄の慎二である。

桜が令呪でライダーに「慎二に従うこと」と命令し、魔術で作った「契約の書」を慎二に持たせることで、彼にマスターの役割を託した。
自分が士郎を殺す必要はなくなったが、それは慎二にその役割を押し付けただけとも言える…。
それでも、臓硯は桜が完全に聖杯戦争から降りることは許さず、桜の体内に植え付けた無数の刻印虫によって彼女を日々監視するのだった。

・十一年間桜の体内で育てられた虫は魔術回路と似た神経となり、本来の神経と絡み合いながら全身に行きわたっている。
この刻印虫から魔術回路と化したものは、一度作動すれば桜の神経を侵し、魔力が空になる状態が続けば、いずれ桜が身体自体虫に奪ってしまうという危険な状態。

桜ルートで登場した桜のイヤリングの中の液体は刻印虫を目覚めさせるためのもので、桜がある条件(=マスターとしての戦いを放棄すること)を破ったときのみ、制裁としてイヤリングを壊して液体を桜にかけることで刻印虫の活動を開始させる…というのが臓硯の策だった。
つまり、戦って生き残るか、戦わずに刻印虫に殺されるかしか選択肢がない…というのが桜ルート終盤までの桜の立場。
自分の寿命を延ばすためにここまでやる蟲おじいさんは許せませんね
しかし、おそらくこんな事情は桜ルート限定のものなので、セイバールートと凛ルートでの桜ちゃんは藤ねえと同レベルの露出度。
ライダーを慎二に任せつつ、いつしか物語から完全にフェードアウトしていくという中途半端な存在に…。

・自分に大きなコンプレックスを抱えており、心を人に開くことは滅多にない。
その理由として大きいのが間桐の魔術の特性である。
間桐の魔術は初めから「他人から奪うこと」に限定した魔術で、それ以外の用途は持っておらず、他人の痛みのみを糧にしているので、他人の喜びに還元するという教えがない。

その外道魔術を恥じている桜は、自分が間桐の魔術を嫌えば嫌うほど、自分に対して嫌悪感を抱いてしまうのだった。
それ故、自分に自信がなく自分の価値を低く見ているが、生きることへの執着を捨てているわけではなく、むしろ誰よりも生への執着は強い。
自称「生きたがり」、意地悪なギルガメッシュに言わせれば「生き汚い」。

しかし、このおかげで間桐家のアレな魔術鍛錬を狂い死にせずに十一年間耐えられたのではないかと思う。
Zeroで雁夜おじさんが言った通り、彼女は苦痛に耐えるという意味では本当に強い
「人に傷つけられるのは楽だけど、自分で自分を傷つけるのは怖い」、「死んでしまうことはなんともないけど、自分で死のうと考えるのは怖い」と語るが、桜ルートで士郎と相思相愛になった後は、自分がここで死んだら凛に士郎をとられてしまうと、他人のギルガメッシュに殺されることを恐れるシーンがある。

・桜ルートで突如として存在する「黒い影」。
冬木市の人間を捕食して日に日に力を増していく上に、サーヴァントを飲みこんでしまうという、いきなり物語をホラームードに突き落としたこの影の正体は、綺礼に言わせれば、桜に浸透することで誕生しようとしている魔であり、聖杯の中身ではなく、桜そのもの
人間の悪性のみを具現した混ざり気のない魔力であり、それが夜に徘徊する影の本体らしい。

まだ生まれておらず、桜がいなければ影さえ落とせないが、門である桜を侵食して門そのものになろうとしている。
桜に力を受け渡すだけで、それはこの世界に存在することになるのである。
サーヴァントはこの影に飲みこまれて呪いに汚染されると黒化してしまい、属性の性格が反転してしまうという変貌を遂げるが、確かな使い魔として肉体を与えられるため通常時より戦闘力が強化される。
なお、この呪いを一度浴びてもピンピンしていたのはご存じ史上最強の我様、ギルガメッシュ…。

・桜ルート中盤までの桜は、深夜に徘徊するこの黒い影を「夢」として見ることとなる。
毎夜人々を殺していく「怖い夢」を始めは恐れていたものの、何度も見るうちに慣れていき、「少しだけ親近感が湧いてきた」、「怖い夢はいつも血塗れだけど、それが楽しい」と感じる桜。
「なにより、あの子は悪い心を持っていない。
アレはわたしたちとは食事の仕方が違うだけの、わたしによく似た何かだった。」

桜が聖杯の器としてサーヴァントの魂を取り込んでいき、聖杯に近い存在になるにつれて、彼女は黒い影を次第に容認するようになっていく。
「わたしはそういう夢を望んでいた。ホントは臆病で汚くてズルい自分。みんな嫌いで、恨む事しかできなくて、あんな夢を一瞬でも愉しいだなんて思ったわたしが悪かった。」と後に自分の心理を省みることから、あの「夢」は桜の唯一の息抜きと言うか、抑えつけられていた自分を解放できるひとときだったのだろう。

しかし、兄の慎二を殺害したことがむしろ楽しかったことに気づいた桜は、一連の怖い夢が夢ではなかったことに気づく。
夜な夜な街を徘徊して言い寄る男たちを殺していたのは自分自身で、兄の遺体をままごとのようにいじっているのも自分。
「なんだ。少しずつおかしくなってたんじゃないんだ。わたし、最初から壊れてたんです。」
黒い影を自分自身だと自覚した桜は以後、積極的に自分から闇サイドへ落ちていくことに…。

・自分と同じ「匂い」を持つ歪んだ聖杯に汚染された者には敏感。
ギルガメッシュにも同じ「匂い」を感じており、臓硯より綺礼こそ注意すべきとライダーに忠告されるも「だってあの人、わたしには勝てないもの。」と綺礼が聖杯によって生かされていることにも気づいていた。

ギルと綺礼は、後に歪な聖杯の器そのものである桜に瞬殺されてしまうことに…。
(と見せかけて綺礼はしぶとく生き残ってますが、ギルはサーヴァントであったため、あえなく飲みこまれることに…。)
なお、ギルガメッシュは人間数十万人分の魂を持っていたために、彼を飲みこんだ影の威力は極度に増大してしまうのであった。

・割と事なかれ主義の気がある。
臭い物には蓋を…
自分がマスターとなった時や士郎がセイバーを連れてきた時も、知らん顔して「騙していた」のはその方が都合が良くて、怒られないで済むから、と告白する。
マスター譲与の件も、自分がマスターとなって士郎を傷つけるのは嫌なのでライダーは兄に譲るが、結局兄が慎二を傷つけるかも…とは露ほども思わなかったらしい。

また、臓硯を倒そうとする士郎に、自分たちでは臓硯には勝てないし勝敗は決まったようなものだから、大人しくしていれば相手も手を出してこないはず…と提案。
じっと耐えていれば苦痛はやり過ごせると耐えてきた彼女の半生のせいか…。

・大人しいが、とにかく我慢強い。
基本的に誰かを憎むということはなく、自責ばかりを溜めていくタイプ。
どんなにひどいことをされてきても今まで慎二も臓硯も恨むことはなかったが、凛だけに反応していたのは彼女が自分にとって最も近い存在だから。
自分、ないし自分に近いモノには素直になるようである。

桜の自責の念の強さはセイバーにも指摘されており、セイバー曰く
「過ちを正す事より、悔いる事を強要している。
だから汚名を返上しようとするのではなく、汚名を刻みつけようとしてしまう。
良くも悪くも、彼女は自分を重くしている。」
とのこと。
しかし、士郎と共にいる時の桜だけは特別で、この時だけ自責の念から解放されていることに気づいたセイバーは、桜はもっと自分ひとりでも胸を張れるようにならなければいけないと思う、と彼女を批評する。

・衛宮邸の通い妻
ほぼ毎日朝六時前に衛宮邸に押しかけて朝食を作り、部活後に夕食作り、洗濯掃除もしている甲斐甲斐しさである。
ちなみに食費は折半している模様。

彼が士郎を知ったのは、四年前の四月ごろに中学の校庭で放課後に延々高跳びをしている士郎を目撃したことからであり、同年間に兄の慎二の友人として間桐邸に遊びに来た士郎と対面。
がんばって挨拶をし、一年半前に士郎がバイト先で怪我をしたことを口実に、衛宮邸のお手伝いに通い始めた。

彼女が衛宮邸に通った当初の目的は、士郎が前回の聖杯戦争でマスターとして参加した衛宮切嗣の息子であったために、彼を監視することであったが、士郎が魔術ド素人で聖杯戦争の存在自体知らなそうな様子のため、日を追うごとに彼女が衛宮邸に通う目的は薄れていった。

それでも、桜が通い続けたのは士郎が気になるからであったし、間桐の家にできるだけ居たくないという気持ちも、もちろんあったのだろう。
衛宮邸に通ううちにだんだん慣れ、藤ねえに影響されて明るく元気な性格に。
衛宮邸限定だけど…。
ちゃんと目にも光(ハイライト。Zeroの桜ちゃんにはなかった…)が灯るようになりました!

・桜がどんな状況でも半ば強引に家事を担当するのは、おそらく衛宮邸での家事が、彼女が幸せを感じる時の全てであったから。
桜にとって、実家の間桐家の食事は毒入りなので、痛くて怖いものでしかない。
そんな桜が衛宮家に来て一番初めに食べたご飯は士郎とお互いが握ったおにぎりを相手に食べてもらうというもので、ほのぼのとした幸せタイムだったわけである。
憧れの好きな先輩が握ったおにぎりだったわけです。

これで、明るい藤ねえが加わった衛宮邸での食事が好きにならないわけがない。
以降、味噌汁の作り方を知らなかった桜の料理の腕は、師匠の士郎を脅かすほどに上達。
本来は洋食派だったにもかかわらず、士郎の影響で和食も士郎の上に手が届きそうな状態に。
桜にとっての衛宮家での家事は自分のアイデンティティーであると同時に何物にも代えがたいものであったので、意地でも手放そうとしなかったんですね…。
ところで桜がいない間、慎二のご飯は誰が…(笑)

・実姉である凛に対しては複雑な感情を抱いている。
十一年前に桜が間桐家の養子になってから、両家の取り決めで深い交流を持てなかった桜と凛だが、お互い相手を意識しながらこれまで育ってきた。
なお、桜は作中で「自分には姉がいると聞かされていた」と言っているので、凛のことをちゃんと覚えていたわけではないらしい。
(五歳で一つ上の姉の存在を忘れるって有り得るのかな…。これは本当なのかな…。嘘っぽい。)

桜にとって、凛は惨めな生活を送ってきた自分のことなんて気にもかけず、自分が欲しいと思っていたものを全て得て、いつもそれが当然と言わんばかりに颯爽として、綺麗に笑っている何でもできる姉であり、自分の理想や羨望の的とともに嫉妬とコンプレックスの対象
自分の理想そのものの凛が目の前にいると、「未熟なままの自分にとっては眩しすぎて目に痛くて、なんだか姉にも自分にも、何をしてるんだって責められてる気がしてしまって」と士郎に心中を吐露している。
(これは同じく自分の理想そのもののアーチャーが身近にいる士郎も共感。)

また、桜にないものをたくさん持っているにもかかわらず、桜にとって何よりも大切な存在である士郎を自分から掠め取っていく存在として随所に凛に嫉妬するシーンも。
凛が士郎の走り高跳びを桜と同時に見ており、彼女がさも自分だけの思い出のように士郎にそれを語ったと感じた桜は、自分のたった一つの大切な思い出すらも凛が奪い取った、と黒い感情を見せた。

当然、自分の独壇場であった衛宮家の料理分野で、自分が不得意な中華料理を凛が士郎もびっくりする腕前で披露した出来事は我慢できるはずもない。
もう坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い状態な桜ちゃんなのである。
でも、リアルですよね…。
もうこんな状態なので、桜ルートでは冬木を管理する遠坂家の当主として冬木を脅かす桜を殺すことを士郎に宣言する凛を、遠坂家当主としての責任を士郎にまで負わせ「自分のたった一人の味方まで奪っていく人」とまで錯覚してしまう。
どんどん追い詰められていくのであった…。
同時に、同じ家に生まれた姉妹にもかかわらず、これまでの生活ぶりと現在の魔術師としての完成度の落差から、「遠坂の家に残って、いつも輝いていて、苦労なんて一つも知らずに育った遠坂凛が憎らしかった」と自分の境遇との差を呪っていたようである。

しかし、この憎悪は姉である凛自体に対するものではなく、世界と自分自身に向けられた出口のない懇願でもあり、憎んでいたという凛に一度でも自分を褒めてもらって、認めてもらいたかったという気持ちが大きい。
桜ルート終盤で桜が凛を殺すことに固執したのはそんな気持ちの表れ。
自分を抑えつけていた桜の今まで許されなかった姉への自己アピールでもあった。

やっと二人がお互いの心情を吐露し合って抱き合う桜ルートを見ると、もっと早くわかりあえていたらな…と思わずにはいられない。
孤高で優秀であるが故に他者の気持ちに鈍感な凛と、卑屈になりすぎて自分を出せずに相手の顔色を窺うばかりの桜の姉妹の盛大なすれ違いが、やっと解消されたのが桜ルートなのであった。

凛を大切な肉親と心の奥底では認識しており、彼女が凛を「遠坂先輩」でなく「姉さん」と呼ぶときは、桜が弱っていて無意識に助けを求めている時であると士郎が感じるほど、本当は凛を頼り甲斐のある姉として慕っていた。
また、桜が常に髪につけている紅のリボンは、幼い頃に凛が一番初めに自分で作った魔術品の髪飾り。
凛は大切にしていた髪飾りを桜に譲り、桜は十一年間ずっとそれを身につけていた。
士郎に一年半に衛宮邸の合鍵をもらった際に「大切な人から物をもらったのは二度目」と言っており、一度目はこのリボンのことだと思われる。

・桜の士郎に対する執着心は、メインヒロイン随一
他ルートでも割とその片鱗を見せてはいたが、今まで何も持てなかった分、唯一手に入れた士郎の心を手放すわけにはいかなかった故に、彼女の士郎独占欲は桜ルートで最高潮に。
それまでは、士郎はただの憧れで汚泥に塗れた自分が受け入れてもらえるなどと思ったことさえなく、自分は士郎には相応しくないと思っていたようである。
「彼の隣に座るのは、もっと相応しい人でなくてはいけない。
自分はその時がくるまで、今のようにそばにいられるだけで良い。
それ以上の幸福を求めては自分だけでなく、きっと彼自身にも良くない終わりが訪れてしまうだろう。」
という、自分の欲を抑えつけて卑屈だったのが桜のスタンスだったわけだが、桜ルートはいかんせんメインヒロインが桜である。

冒頭から桜の女としての成長を意識せずにはいられない士郎と桜が相思相愛になるのは必定…。
桜の心には士郎の所有欲がむくむくと育っていくのである。
特に、話したこともない士郎すら知っている完璧な優等生であり有名人の実姉の凛に対しては、凛が衛宮邸に滞在したことを後になってから聞かされた際の、
「そんなのおかしいです。
だって全然関係ない。
ここにいるのはわたしで、先輩とあの人は全然関係ないのに、どうして。」
の台詞に代表されるほど、嫉妬する。
今まで何一つ手に入らなかった自分がやっと手に入れた士郎までをも、何でも持っている凛に渡してしまうのがどうしても許せなかったのだろう。
また、桜ルートで黒い影に飲み込まれてセイバーがいなくなったことは、セイバーを心配するよりも士郎を奪い返したという暗い感情が勝った。

士郎は自分を気遣ってくれるが、同時に自分を遠ざけようとすることで守っているので、桜にとってはまだ足りなくて、満たされない。
士郎が歩けなくなるぐらいの怪我をしてしまえば、もう彼が危ない目に遭うこともなく、自分だけを見てくれるのでは…そんな自分が卑しいとはわかっていても、思わずにはいられない桜なのであった。

・桜ルートでは希代のヤンデレぶりを披露。
本当は士郎に戦ってほしくて、自分を助けてほしい。
今まで振り向いてもらえなかった分、何倍も応えてほしい。
「その為なら―彼が傷ついてもいい。」
彼女のヤンデレは、士郎が桜にとっては自分がなれなかった侵し難い理想の姿で、唯一誰にも渡したくなった何よりも手に入れたい存在だったからなのかなと思っています。

日夜、黒い影討伐に繰り出す士郎を送り出す桜の想いは複雑で、士郎が死にかけるほどの危ない目に遭う戦いはやめてほしくて、士郎と共に毎夜外に出るセイバーや凛は、彼を脅かす障害として認識。
「セイバーが帰った」と士郎から聞いたときは、士郎を脅かし自分から士郎を遠ざける「邪魔者がいなくなった」という安堵の思いが湧いたようである。
ずっと傷ついてきたのに綺麗なままでいた、自分なんかとは違う大切な存在を傷つけるモノは許さない
傷つけられ汚れた自分とは違って、どんなに傷つけられてもまっすぐで綺麗なままの士郎に焦がれたという事実は、四年前の愚直に出来もしない走り高跳びを続ける士郎の姿に惹かれたエピソードからも明らか。

ところが、綺麗で不器用でまっすぐな士郎に憧れたのに、彼の理想を曲げさせた原因は他でもない桜。
なんという皮肉…。
終盤であれほど先輩命だった桜が、士郎こそを殺したがったのもこの心理からだと思われる。
「先輩、なんで、姉さんを庇うんですか。
そう、いつもそうでした、
わたしを守ってくれるって言ったのに。
先輩は、わたしだけを見てくれなかった。
でもいいんです。
そういう人だから、わたし、先輩が欲しかった。」
「わたしにとって、嬉しいことは、先輩だけだから。
それに先輩だって、わたしからは離れられない。
先輩はこれ以上、自分を裏切ることはできないから。
……ええ、だから殺してあげます。
そうすればずっと傍にいてくれるし、なにより―先輩は、もう苦しまなくていいでしょう?」

桜だけを守ると言いながらも、凛を気に掛けるという桜にとっては許し難い行為を自分の目の前で見せつける士郎を見て、そういうまっすぐな人だったから好きだったし、まっすぐで汚れることができない人だからこそ、苦しむのならいっそ楽にしてあげたい。
同時に自分のモノにしたいという歪んだ気持ちの表れなのかもしれない…。

しかしだからこそ、士郎の夢である「正義の味方」を聞いて「先輩は間違ってません。まっすぐで、かっこいいです。」と士郎の夢を初めから素直に応援してくれたおそらく唯一の人にもなったのでしょう。
作中で士郎の理想がセイバー、凛、アーチャー、ギルガメッシュにけちょんけちょんに貶されることを思えば、これだけでも士郎にとっては救いだったのではないでしょうか。
おそらく臓硯がいなければやきもち焼きなだけの、健気な後輩だったんだろうな…。

・作中最も恋愛に積極的だったのはもちろん桜。
おしとやかに見えて大胆できわどい発言とプロポーションで士郎を動揺させ、「最も色仕掛けが似合うキャラ」と作者に認定された。
ヒロインとのスキンシップは全て物語の進行上やむを得ない理由によりなされるが、桜は状況が一回で済むものではなかったため、複数回深夜に士郎の部屋におしかける女の子に…。
しかし、帳尻を合わせるためなのか何なのかは知らないが、桜ルートにはセイバールートと凛ルートにあったほのぼの新都デートイベントが唯一ない
「母性本能が強く、とことん甘えさせてくれる魔性の女だが、甘い蜜で男をだめにする」(by作者)女で、セイバーと凛には割と強気だった士郎も桜相手では、顔色を窺う日々である。

・桜もライダーもお互い必要なこと以外は話さないので、希少な女同士の主従関係であるが、彼女たちの会話はそう多くない。
桜にとっては「サーヴァント=聖杯戦争そのもの」だから、ライダーは疎ましい存在であったのかもしれないし、召喚したライダーをあっさり慎二に譲ってしまうこともあり、彼女たちに信頼関係があったのかは正直作中では判断できない。

…と思いきや、サーヴァントのライダーによると、二人は言葉の交流すら少ないものの、お互いを理解し合った仲らしい。
ライダーが桜を守りたいという気持ちは、桜が消えれば自分も消えるからという理由だけではなく、桜個人が好きでもあり似た者同士であるからこそ、マスターの桜の苦悩を理解していた。
しかし、桜ルート後半で追い詰められていたとはいえ、以前「何があろうと士郎を守って」と令呪でライダーに命令したにもかかわらず、いざ士郎をライダーが庇うと「……そう。わたしに逆らうのね、ライダー。」は…。
ライダー頑張れ。

・前述の通り、臓硯や慎二にはひどい目に遭わされながらも、これまで憎むことはなかった。
特に慎二に対しては、自分が間桐家に来たことで彼のアイデンティティーや間桐家での立場を奪ってしまったことに同情しているため、彼が腹いせで桜に八つ当たりすることを容認。
友人の少ない慎二と士郎の関係が崩れることも気にしており、二人の仲を気遣うシーンが多数見受けられる。
最終的に精神が闇に同調しても、桜にとっての慎二は「可哀想な兄さん」だったらしい。
そんな気持ちが表に出て卑屈になってしまうことが、余計慎二をイラつかせてしまうのであった。

しかし、桜ルート終盤で自分を殴りながら笑う慎二を見て「もうどうあっても、この人は、自分が面白がるためだけに、自分を台無しにする気なんだ」と悟り、慎二だけでなく「どうしてわたしの周りの世界は、こんなにも私を嫌っているんだろう」と自問自答。
「こんな人、いなければいいのに。」
と、十一年間一度も思わなかったことを思ってしまい、勢いで慎二を即死させた。

慎二殺害は彼女の心に決定的に変化を生んでしまい「こんなに楽しいのならもっと早くやればよかった」と思うと同時に、「兄の体をままごとのように沢山、色々いじった」らしい。
彼女の意識はここで決定的に代わり、今まで蓋をしていた無意識が表層に浮かび上がることに。

ちなみに父の時臣に関しては、自分は父に捨てられた、間桐に売り飛ばされたと思っているようで、密かに恨んでいた模様。
まあ、それはそうだよね…。
結局、時臣は桜を魔術師としても幸せにはしてあげられない選択をしてしまったわけで…。
しかし、ギルガメッシュをこの世に召喚し(Zeroの設定では)、令呪が宿った綺礼を魔術師として育てて積極的に聖杯戦争の渦中に引き入れ、桜を間桐に渡した時臣は今作のラスボスメーカーと言えるかもない。
ある意味、時臣がいなければstay nightは始まらなかったと言えますね。

・欲や希望がなく、彼女の唯一の趣味は弓と士郎の影響での料理のみ。
桜ルートでは体調が良くなったらどこに行きたいか聞かれても何も思い浮かばず、天気の良い日に広い野原で士郎と花見をすることのみを希望する。
桜の体が治ってこのゴタゴタが終わったら、二人で行こうと士郎は約束する。

・桜ルートにて、彼女が内に抱えた闇と悲痛な葛藤が爆発させるのは、慎二を殺してタガが外れたことにより、黒い聖杯と精神まで同調することを許してから。
なぜ桜が積極的に自分から闇サイドに堕ちようとしたかと言えば、彼女は純粋に自分を守ることができる力と、誰かに認めてもらいたいという欲求を本当に強く持っていたからなのではないだろうか。
聖杯の力で得た膨大な魔力量はそんな彼女の気持ちを満たしてくれるには十分すぎるほどのもので、凛すらも圧倒する力は桜の自尊心を多いに満足させ、凛へ力を誇示する台詞もある。
凛に一度でも自分を羨ましいと思ってほしかった気持ちを凛本人に隠さなくなるのもこの時が初めて。
この力を持てばもう誰にも邪魔されることもなく、誰にも虐げられることはない。

さらには、自らを脅かし続けてきたモノたちを想像の中で倒していくその想像上の行為だけで満たされて力に酔う桜は、自分をこうさせたのは周りのせいと結論づける。
「もっとみんなが優しかったら、わたしだってもう少しぐらい我慢したと思うんです。
(中略)これが八つ当たりだって理解しています。
けど、悪い事だって判っていても思ってしまうんです。
そう。今までわたしを助けてくれなかった全てに、わたしを思い知らせてあげたらどんな顔をするのかって。」
「わたしだって好きでこんな化け物になったんじゃない……!
みんなが、みんながわたしを追い詰めるから、こうなるしかなかったのに……!」
「わたしは―わたしは強くなりました。強くなれば、何をしても許されるんじゃないんですか。」

桜は加害者であると同時に完全な被害者でもあるので、彼女の罪の責任を全部取れというのは酷ですが…。
周りが自分を人間扱いしないで貶めるのなら、じゃあそうなってやろうじゃないか!と開き直るのはキャスターのメディアさんや、アヴェンジャーと同じですね。

・特技は家事全般とマッサージ。
好きなものは甘い物と怪談、嫌いなものは体育と体重計。
割と大食いであり、朝食もご飯二杯にさらに朝練後におにぎりを食べているようで、彼女に体重の話は厳禁
でも156cm、46kgはまったく正常の範囲だよ、桜ちゃん!
甘いものは好きだが、生の果物は苦手らしい。

・士郎の考察2でも書きましたが、個人的には桜ルートはNormalエンドが好きです。
Normalエンドは、士郎がお亡くなりになって桜のもとに帰ってくることはなく、桜は毎年贖罪の花?を植え続けて老いて亡くなるという、一見してBADエンドですが。
stay nightの終わりとしてはアレすぎるので、Trueエンドが「True」なのはわかりますが、桜ルート単体で見れば、きっかけはどうあれ自分がやったことへの贖罪の道に生きる桜がわかりやすく提示されているラストは、凛の言う魔術の等価交換という点で納得がいく終わりなのかな…と。
Normalエンドの方が作中で士郎とした「このゴタゴタが終わったら、二人で満開の桜を見に行く」って約束も活きてくるような気がしてならなくて

・彼女は聖人、超人が多いFateシリーズの中で希少な人間臭さというか、人間らしい弱みをさらけ出してたキャラクターであるとも思います。
嫉妬深かったり、恋優先だったり、自分が一番かわいいと思う故の行動とか。
stay nightの主要人物が、どんな犠牲を払ってでも滅私奉公する聖人君子タイプ(士郎やアーチャー、セイバー)や、何があっても確固たる信念と自信、誇りを捨てないタイプ(凛やランサー)などの完璧超人だらけなので、比較して叩かれがちですが、凡人な私が一番共感できるのは、実は桜なのかもしれない…。
思えばZeroの雁夜おじさんや臓硯も含めて、間桐家はそんな人ばかり。
しかし、個人的に一番桜でツボったのは例の黒い影として徘徊していたときの「くすくすわらってゴーゴー」。
何あれ、何か癖になる…。

完全に後付け設定ですが、返す返すも残念なのは、Zeroの雁夜おじさん。
マスターになって聖杯を掴むなんて無謀なことはやめて、おじさんが普通に生きて、彼女を強引にでも救ってくれればまだ希望があったのに…。
本当になんで死んじゃったの、雁夜さん…。


臓硯が桜にいらんことをしたせいで、彼女の設定が複雑なことなってしまい、字数が大変なことに…。
まさかアーチャーに匹敵する字数になるとは思いませんでした…。

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●Fate/stay nightキャラクター考察
Fate/stay night キャラクター考察① セイバー陣営(衛宮士郎1)
Fate/stay night キャラクター考察② セイバー陣営(衛宮士郎2)
Fate/stay night キャラクター考察③ セイバー陣営(アルトリア)
Fate/stay night キャラクター考察④ アーチャー陣営(遠坂凛)
Fate/stay night キャラクター考察⑤ アーチャー陣営(エミヤ)
Fate/stay night キャラクター考察⑥ ランサー(教会)陣営(言峰綺礼)
Fate/stay night キャラクター考察⑦ ランサー(教会)陣営(クー・フーリン)
Fate/stay night キャラクター考察⑧ ランサー(教会)陣営(ギルガメッシュ)
Fate/stay night キャラクター考察⑨ ライダー陣営(間桐桜)
Fate/stay night キャラクター考察⑩ ライダー陣営(間桐慎二)
Fate/stay night キャラクター考察⑪ ライダー陣営(メドゥーサ)
Fate/stay night キャラクター考察⑫ キャスター・アサシン陣営(メディア)
Fate/stay night キャラクター考察⑬ キャスター・アサシン陣営(葛木宗一郎/佐々木小次郎)
Fate/stay night キャラクター考察⑭ バーサーカー陣営(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/ヘラクレス)

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